No.171

2015.05
三津子の俳句つうしん







宝石のためいきこもる猫柳


猫柳の咲き始めの輝きと透明度におもわず吸い込まれそう。その美しさには捨てがたいものがあり、白い銀色の花の外に桃色猫柳もある。

それはそれは可愛くて可憐な村娘の趣です。  


















♪雲か霞か春の滝音連れてくる♪














よぎる蟹能登の泣き砂にぎりしめ


砂色をした砂蟹が、泣き砂(鳴き砂)を、掘っている。 私は、砂の上を裸足で歩く。「キュッキュッ」と、音がする泣き砂の浜、琴ヶ浜。

最近はあまり音がしないと伝え聞くが、いつまでも音がなる浜であってほしい。











約束を反故にしそうな春帽子


私の帽子は小型軽量着脱自在。雨風を防いでくれる、ありがたーい 小道具です。アタマに乗っけりゃ、どうでもよさそうな 約束なんか、

ほうり投げてひとり旅に出たくなるの。思いっきり傾けかぶる帽子は、 俳句の字足らず字余りにも似て破調、乱調のおもむきあり。










        
春の月倶利伽羅峠に根付きけり


倶利伽羅峠を舞台に、4500頭の牛の角に松明をくくりつけ、平家の陣へ追い入れる。木曽義仲の「火牛の計」。

倶利伽羅の細い路地から眺める月は何とのう心もとなく、しっかり根付いてくれと祈るのみ。














全身麻酔花の記憶の消えてゆく  


賑やかに咲いていた八重桜のまばゆいほどの美しさも体じゅうから、すーっと消え去る・・・

ベッドに大の字になりながら、さあ、どうにでもなれって捨て鉢的な気持ちで深ねむりぃ。


















夕焼やおんなの昭和燃やすまじ  




菜種梅雨グズのこならの受粉どき    




白内障土用芽のせいといわれけり




乗り継ぎのアムステルダムのチューリップ  




草おぼろマルコポーロの紅茶缶